2024年7月、初めての個別株としてアスモ(2654)を購入しました。
正直なところ、「優待が豪華そう」「配当もある」というお得感だけで選び、業績や財務のチェックはほとんどしていませんでした。
取得時点での総合利回りは約5.4%。魅力的に見えましたが、実際に保有してみると、「こんなはずじゃなかった…」と反省することに。
この記事では、私の個別株デビューで感じたリアルな失敗と気づきをまとめています。
実際にもらった株主優待(松阪牛レトルトカレーと缶詰)の感想も書いています。
- アスモ(2654)の会社概要
- 業績推移・財務状況・配当金のデータ
- 実際の購入履歴と保有状況
- 買ってわかった失敗談と反省点
- 株主優待(松阪牛シリーズ)のレビュー
アスモってどんな会社?
【上場市場】 | 【業種】 |
---|---|
東証スタンダード | 小売業 |
アスモ(2654)は、1975年(昭和50年)に設立された食品メーカーで、2000年に東証JASDAQ市場へ上場しました。(現在はスタンダード市場に上場しています)
主な事業は、介護施設や病院向けの給食サービスを中心に、食肉の輸入・販売や、海外での外食事業も展開しています。
特に、高齢者向けのやわらか食・きざみ食といった介護食分野に強みを持ち、福祉施設の「食」を支える存在として知られています。
また、家庭用のレトルト食品も手がけており、株主優待では「松阪牛カレー」と「松阪牛焼肉缶詰」のセットが贈られます。(優待制度は2024年に新設)
医療・介護・福祉といった社会的ニーズの高い分野に関連する事業が多いため、景気変動の影響を受けにくいのも特徴のひとつです。
介護施設・病院向け給食サービス(アスモフードサービス)
アスモフードサービスは、全国250か所以上の高齢者施設や病院などに、毎日25,000食を超える給食を提供しています。
高齢者の嚥下機能に合わせたソフト食やムース食、ミキサー食などにも対応しており、施設ごとのニーズに応じた多様なメニュー展開が可能です。
また、旬の食材を取り入れた季節メニューや、行事に合わせたイベント食も積極的に提供。エリアマネージャーが定期的に現地を訪問し、メニューの調整も行っています。
衛生面では、国際的な衛生基準「HACCP(ハサップ)」の考え方に基づいたルールを導入。さらに、外部検査機関によるチェック体制も整えており、安心・安全な食事提供に努めています。
食肉の輸入・販売(アスモトレーディング)
介護施設や病院向けの給食サービスに加え、アスモはグループ会社のアスモトレーディング株式会社を通じて、メキシコ産・米国産を中心とした牛肉や豚肉、食肉加工品を世界各地から直接輸入・販売しています。
近年は、国内向けの通信販売にも注力しており、商品の安全性や品質管理にも力を入れています。
特に、仕入れ先や流通経路を明確に記録・管理する“トレーサビリティ”への対応により「どこで、いつ作られたか」が分かる安心感を提供しているのが特徴です。
海外外食事業(ASMO CATERING)
海外外食事業では、アスモグループが香港・マレーシアなどで和食レストランを展開しています。
香港では、「今助」「北の坂」「彩」などの店舗を中心に、10店舗以上の和食レストランを運営。
マレーシア(クアラルンプール)では、ISETANなどの商業施設内で、和食デリカやレストランを展開してきました。
日本食が親しまれている地域で展開しており、現地の商業施設や百貨店などを中心に店舗を構えています。(※台湾事業は現在休止中)
株主優待の内容・条件・贈呈時期を解説
アスモ(2654)の株主優待は、松阪牛を使用したレトルトカレーと焼肉缶詰のセットです。
2024年に新設された制度で、毎年9月末時点の保有株数に応じて内容が変わり、1000株以上の保有で「神戸牛の焼肉缶詰」も優待品に加わります。
優待の内容
必要株数 | 優待内容 | 備考 |
---|---|---|
300株以上 | 【3,600円相当】 ・松阪牛カレー(1人前)×1個 ・松阪牛焼肉缶詰170g×1個 | ■贈呈時期 12月上旬より順次 |
500株以上 | 【6,200円相当】 ・松阪牛カレー(1人前)×3個 ・松阪牛焼肉缶詰170g×1個 | |
1,000株以上 | 【14,600円相当】 ・松阪牛カレー(1人前)×4個 ・松阪牛焼肉缶詰170g×2個 ・神戸牛焼肉缶詰170g×2個 |

カレー、缶詰ともに1,000円を超える高級品!これが優待でもらえるのは嬉しい♪
優待をもらう条件・贈呈時期
- 毎年9月末時点で300株以上を保有していること
- 長期保有の条件はありません(2024年7月時点)
- 12月上旬から順次発送
- 申し込み不要、自宅に届けられます
配当金情報と利回りをチェック
【配当回数】 | 【権利確定月】 | 【配当支払月】 |
1回/年 | 3月 | 6月 |
アスモ(2654)は、ここ数年にわたって1株あたり10円の配当を継続している銘柄です。
2025年3月期も年間10円(期末1回)の配当を実施しており、取得時の株価(406円)に対する配当利回りは約2.4%となります。
また、株主優待(300株保有時で3,600円相当)と配当をあわせると、実質利回りは約5.4%になります。
※取得価格406円・300株保有の場合:(配当3,000円+優待3,600円)÷121,800円 で計算
※利回りは株価によって変動します。
業績・財務

アスモの業績や財務状況について、売上高やEPS(1株あたり利益)をはじめ、営業利益率・自己資本比率・有利子負債比率・現金保有額・配当金の推移まで、主要な指標をグラフで整理しました。
「成長性」「収益性」「財務の健全性」「株主還元」の4つの視点から、多角的に企業の状態を把握できるよう構成しています。
売上とEPS
売上高とあわせて確認したいのが、EPS(1株あたり利益)の推移です。
EPSとは、企業が1株あたりにどれだけの利益を出しているかを示す指標で、株主の利益に直結する重要な数値のひとつです。
この2つの数値を並べて見ることで、売上の増減と利益の伸びが連動しているか、企業の収益力がどう変化してきたかを読み取るヒントになります。

売上はおおむね安定していますが、EPS(1株あたり利益)は年によって大きく変動しています。
2020年には50円近くまで伸びたものの、その後は一時的に落ち込み、直近では20円未満の水準にとどまっています。
今後は、利益の回復と安定化が中長期の課題となりそうです。
営業利益と営業利益率
営業利益とは、実際にどれくらい利益が出たかを示す「金額」の指標。
一方、営業利益率は、その利益が売上に対してどれくらい効率的だったかを示す「割合」の指標です。

営業利益・営業利益率は2020年をピークに減少傾向ですが、2023年を底にやや持ち直している様子も見られます。
2026年3月期にはわずかに改善予想も出ており、今後の収益力回復が期待される局面です。
自己資本比率と有利子負債比率
自己資本比率は「会社の土台の強さ」で数値が高いほど安心感があります。
有利子負債比率は「借金の多さ」を示し、低いほどリスクが小さいとされます。
財務の健全性を測るうえで、注目したいのがこの2つの指標です。
借入も経営戦略のひとつですが、両指標を通じて企業の安定性を読み取ることができます。
【年度】 | 【自己資本比率】 | 【有利子負債比率】 |
---|---|---|
2017/03 | 67.5% | 0% |
2018/03 | 64.7% | 0% |
2019/03 | 65.9% | 0% |
2020/03 | 68.5% | 0% |
2021/03 | 69.0% | 0.17% |
2022/03 | 71.6% | 0.27% |
2023/03 | 70.5% | 0.23% |
2024/03 | 68.0% | 0.67% |
2025/03 | 71.0% | 0.34% |
アスモは自己資本比率がずっと高水準。借金も少なく、安心感のある財務体質です。
営業活動によるCF
営業活動によるCFとは、本業からどれだけ安定して現金を生み出せているかを示す指標です。

これまで営業CFはおおむね安定してプラスを維持していましたが、2025年はわずかにマイナスに転じました。
金額としては小さいものの、企業の基盤を支える力を測るうえで、今後の動向には注目したいところです。
現金等

現金等は毎年しっかりと確保されています。
1株当たりの配当金と配当性向
配当性向とは、利益のうちどれだけを配当にまわしているかを示す指標です。
配当金の推移を見ることで、企業がどれだけ株主還元を重視しているかがわかります。
【年度】 | 【1株当たりの配当金】 | 【配当性向】 |
---|---|---|
2016/03 | 10円 | 22.9% |
2017/03 | 10円 | 23.6% |
2018/03 | 10円 | 22.5% |
2019/03 | 10円 | 20.6% |
2020/03 | 10円 | 20.8% |
2021/03 | 10円 | 34.0% |
2022/03 | 10円 | 39.3% |
2023/03 | 10円 | 65.9% |
2024/03 | 10円 | 28.7% |
2025/03 | 10円 | 93.7% |
2026/03予 | 10円 | - |
毎年10円の配当を維持しており、利益が減少しても安定した還元を継続している点は好印象です。
ただ、2025年は配当性向が90%を超えており、利益に対して配当負担が大きい点がやや気になります。
🔎 総合的に見ると…
配当は安定しており、財務も健全です。
一方で、CFや配当性向には一時的な不安要素も見られるため、今後の回復に注目したいですね。
運用状況まとめ

2024年からアスモ株を購入しており、現在は400株を保有中です。これまでの購入履歴と、受け取った配当や優待の実績をまとめました。あわせて、この銘柄での反省点や優待の感想も紹介しています。
保有状況と配当・優待の実績
年月 | 取得単価 | 買い株数 | 金額 | 配当金 | 優待 |
---|---|---|---|---|---|
2024年7月 | 406円 | 300株 | 122,100円 | - | - |
2024年12月 | 323円 | 100株 | 32,300円 | - | 3,600円相当 |
2025年6月 | - | - | - | 4,000円 | - |
合計 | 386円 | 400株 | 154,400円 | 4,000円 | 3,600円相当 |
最初は株主優待の高級カレーに惹かれて、業績や財務を深く見ずに購入してしまいました。その結果、今は含み損が続いています。
実際に体験してみて、個別株では決算資料をしっかり確認することの大切さを痛感しました。今後は、業績や財務などきちんと見てから判断したいと思います。
株主優待レビュー|松阪牛カレー&焼肉缶詰を食べてみた
松阪牛カレーは「濃厚なルーと柔らかな松阪牛がおいしかった」という高評価がある一方で、「肉が薄くて感じられなかった」といった声も見られました。
私自身も味はおいしいと感じましたが、辛いものが苦手な私には少し辛すぎました。
大人にはちょうどいい辛さかもしれませんが、お子さんにはちょっと刺激が強いかもしれません。
一方の松阪牛焼肉缶詰は、お肉がぎっしり詰まっていて、厚みのあるしっかりした味わいでとても美味しかったです。
缶詰なので保存性も高く、非常食としても◎。
味付けがしっかりしているので、野菜と合わせると、さらにおいしく食べられると思います。