「複利って聞いたことはあるけれど、実際どれくらい資産が増えるの?」「投資で複利を活かすには、何をすればいいの?」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
複利とは、運用で得た利益を再投資することで、利益がさらに利益を生む仕組みです。同じ金額を投資しても、複利を活かせるかどうかで将来の資産額は大きく変わります。
筆者は2019年から資産運用を始め、インデックス投資・高配当株・ROBOPROなどを組み合わせた運用を続けています。
この記事では、実際の運用経験も交えながら、複利の仕組みや単利との違い、資産を効率よく増やすための活用方法を初心者の方にもわかりやすく解説します。
- 複利とは何かわかりやすく理解できる
- 単利との違いがわかる
- 複利で資産が増える仕組みをシミュレーションで確認できる
- NISAや高配当株で複利を活かす方法がわかる
- 複利効果を最大化するポイントがわかる
複利とは?単利との違いを解説

単利と複利の違いは「利益をどこに乗せるか」です。
- 単利:元本だけに利益がつく
- 複利:元本+これまでの利益にも利益がつく
言葉だけではイメージしにくいので、具体的な数字で比べてみましょう。
【例】100万円を年利7%で運用した場合
年利7%は、MSCI ACWI(配当込み・米ドルベース)の長期実績(年率約8〜9%)を参考に、やや控えめに設定した想定利回りです。
| 期間 | 単利 | 複利 |
|---|---|---|
| 1年後 | 107万円 | 107万円 |
| 5年後 | 135万円 | 約140万円 |
| 10年後 | 170万円 | 約197万円 |
| 20年後 | 240万円 | 約387万円 |
複利の特徴は、時間が経つほど効果が大きくなることです。
最初の数年は単利との差はわずかですが、利益が利益を生む仕組みが積み重なることで、20年後には約147万円もの差になります。
このように、複利は運用期間が長いほど効果を発揮します。
では、なぜ複利は長期投資になるほど効果を発揮するのでしょうか。次で詳しく見ていきます。
複利が長期投資で威力を発揮する理由

複利が長期投資で威力を発揮する最大の理由は、利益が利益を生むサイクルが時間とともに積み重なるからです。
最初の数年は単利との差はそれほど大きくありません。しかし、利益を再投資し続けることで利益にも利益がつくようになり、運用期間が長くなるほど資産の増え方は加速していきます。
雪だるまを転がす様子をイメージするとわかりやすいでしょう。最初は小さな雪玉でも、転がし続けるほど雪が積み重なり、大きく育っていきます。複利も同じで、時間を味方につけるほど効果を発揮します。
📝 72の法則で資産が2倍になる年数がわかる
複利の効果をイメージしやすい考え方が「72の法則」です。
72÷年利(%)= 資産が2倍になるまでの年数
あくまで目安ですが、利回りと運用期間が資産形成に与える影響をイメージしやすくなります。
たとえば年利7%で運用した場合は、72÷7=約10.3年で資産が2倍になる計算です。
年利4%なら約18年、年利10%なら約7.2年となり、利回りが高いほど資産が増えるスピードも速くなります。
なお、72の法則は一括投資で一定の利回りが続くことを前提とした目安です。
毎月積み立てる場合は、後から投資した資金ほど運用期間が短くなるため、資産全体が2倍になるまでの期間はこれより長くなります。
📝 なぜ最初の10年は地味に見えるのか
複利の効果は、運用期間の後半になるほど大きくなります。
そのため、最初の10年位までは「思ったより増えない」と感じる方も少なくありません。
しかし、それは複利が十分に働き始める前の段階であり、決して失敗しているわけではありません。
利益が積み重なるほど、その利益が新たな利益を生み、資産の伸びは徐々に加速していきます。
最初はゆるやかでも、長く続けることで複利の力を実感しやすくなるのです。
では、実際にシミュレーションして確認してみましょう。
シミュレーションしてみよう
シミュレーターでは、積立額・想定利回り・運用期間を自由に設定して、複利による資産の増え方を確認できます。
(金融庁の「つみたてシミュレーター」と同じ計算方式)
数字を変えながら試してみると、運用期間が長くなるほど資産の伸びが大きくなることを実感できるはずです。
例えば、月3万円を年利7%で30年間積み立てた場合を試してみてください。運用期間を20年・30年・40年と変更すると、後半ほど資産の伸びが大きくなることが分かります。
複利シミュレーター|積立額・利回りで資産を計算
※実際の運用成果を保証するものではありません。税金・手数料は考慮していません。
実際にシミュレーションしてみると、後半になるほど運用益(緑色)の伸びが大きくなることが分かったのではないでしょうか。
これが複利の特徴です。時間を味方につけることで、利益がさらに利益を生み、資産は加速度的に増えていきます。
では、実際に株式投資で複利を活かすには、どのような方法があるのでしょうか。次で3つの方法をご紹介します。
複利を活かす3つの方法

株式投資で複利を活かすには、利益を再投資し続けることが大切です。実践方法はいくつかありますが、ここでは代表的な3つを紹介します。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| インデックスファンド | 自動で再投資される商品が多い (コツコツ積み立てたい人) |
| 高配当株 | 配当金を再投資して複利を活かす (配当収入も重視したい人) |
| ロボアド | 運用を自動化できる (運用の手間を減らしたい人) |
①. インデックスファンドの自動再投資
全世界株式(オルカン)やS&P500に連動するインデックスファンドは、運用益がファンド内で自動的に再投資される仕組みになっています。
分配金として受け取らず、基準価額の上昇として反映されるため、何もしなくても複利に近い効果が継続します。
- 証券口座を開設する
- NISAのつみたて投資枠でインデックスファンドを選ぶ
- 毎月の積立額を設定して自動積立をオンにする
これだけで完了です。あとは何もしなくても、毎月自動で積み立てられながら複利効果が働き続けます。
筆者もコア資産としてインデックスファンドを積み立てており、この仕組みを活かした長期運用を続けています。
手間がほぼゼロなのに複利効果が得られる点が、大きな魅力だと感じています。
初心者が投資を始めるなら、まず検討したい方法です。
②. 高配当株の配当金を再投資する
高配当株から受け取った配当金を、同じ銘柄や別の高配当株に再投資することで複利効果が得られます。
- 高配当株を購入して配当金を受け取る
- 受け取った配当金で同じ銘柄か別の高配当株を追加購入する
- これを繰り返すことで保有株数が増え翌年の配当金がさらに増える
インデックスファンドと違って手動での再投資になるため手間はかかりますが、配当金が振り込まれたという実感が持てるのが高配当株投資の魅力のひとつです。
筆者自身も高配当株を保有しており、受け取った配当金は別の銘柄の購入資金に充てています。
配当金が入るたびに「この分がまた増えていく」と実感できることが、長期投資を続けるモチベーションになっています。
一方で、配当金を生活費として使ってしまうと複利の効果は弱まります。受け取った配当金を再投資に回すことが、複利を活かすポイントです。
高配当株投資の始め方については、こちらの記事で詳しく解説しています👇
③. ロボアドバイザーで自動化する
ロボアドバイザーは、運用から資産配分の見直しまで自動で行ってくれるサービスです。
ロボアドバイザーには複数のサービスがありますが、筆者はROBOPROを利用しています。
ROBOPROは、AIが相場環境に応じて資産配分を自動調整するロボアドバイザーです。
受け取った分配金が自動的に再投資される仕組みのため、複利効果が働きます。
自分で銘柄を選ぶ必要がないため、運用をできるだけ自動化したい方や、資産配分を考える手間を減らしたい方に向いています。
ROBOPROの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています👇
どの方法を選んでも共通して大切なのは、利益を再投資し続けることです。さらに、複利効果をより高めたい方は、NISAも活用しましょう。
NISAと複利は相性が良い理由
利益を再投資するだけでも複利の効果は期待できます。さらに、NISAを活用すれば、運用益が非課税になるため、複利効果をより活かしやすくなります。
通常、課税口座では投資で得た利益に20.315%の税金がかかります。
例えば100万円の利益が出た場合、約20万円が税金として差し引かれ、手元に残るのは約80万円です。
以下の表は、課税口座とNISA口座で月3万円・年利7%・30年間積み立てた場合の運用結果の比較です。
(一定の利回りで運用できたと仮定した場合)
| 口座種類 | 元本 | 運用後(税引前) | 税引後の受取額 |
|---|---|---|---|
| 課税口座 | 1,080万円 | 約3,508万円 | 約3,015万円※ |
| NISA口座 | 1,080万円 | 約3,508万円 | 約3,508万円 |
30年後には約493万円の差が生まれます。
同じ金額・同じ期間・同じ利回りでも、税金がかかるかどうかで最終的な資産額には大きな差が生まれます。
長期投資では、複利とNISAを組み合わせることで、資産形成をより効率よく進めやすくなります。
複利でやってしまいがちな失敗・注意点

複利は長期投資で大きな力を発揮します。
しかし、途中で運用をやめたり、利益を再投資しなかったりすると、その効果を十分に活かせません。
ここでは、初心者がやってしまいがちな失敗例を紹介します。
📝 短期売買を繰り返してしまう
株価が下がったときに焦って売却したり、少し利益が出ただけで売却したりすると、利益を積み重ねる流れが途中で途切れてしまいます。
複利は利益を積み重ねることで効果を発揮するため、長期保有を前提とした運用が基本です。
短期的な値動きだけで判断せず、長期的な視点を持つことが大切です。
📝 利益を使ってしまい再投資しない
配当金や売却益を生活費などに使ってしまうと、そのお金は次の利益を生みません。
複利の効果を活かすには、利益をできるだけ再投資し続けることが重要です。
あらかじめ「配当金は再投資する」とルールを決めておくと続けやすくなります。
📝 運用コストが高い商品を選んでしまう
投資信託では、信託報酬などの運用コストがかかります。
わずかな差でも長期間積み重なると資産形成に影響するため、長期運用ではコストの低い商品を選ぶことも重要です。
📝 含み損で焦って売却してしまう
長期投資では、一時的な含み損は珍しいことではありません。
しかし、含み損が出たタイミングで慌てて売却すると、損失が確定するだけでなく、その後の複利による資産の成長も止まってしまいます。
人は利益を得る喜びよりも、損失を被る痛みを強く感じる傾向があります。
これは行動経済学で「損失回避バイアス」と呼ばれる心理です。
含み損が出たときこそ、短期的な値動きではなく、投資した目的や長期的な運用方針を改めて確認することが大切です。
含み損との向き合い方や、長期投資を続けるための考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています👇
複利の効果を最大化する3つのポイント
- できるだけ早く始める
- NISAを活用する
- 長期保有を前提にする
①. できるだけ早く始める
複利は、運用する期間が長いほど効果を発揮します。同じ金額を投資するなら、1年でも早く始めた方が有利です。
人は、将来の大きな利益よりも今の安心を優先し、もう少し勉強してから始めようと先延ばしにしがちです。
これは行動経済学で「現在バイアス」と呼ばれる心理です。
もちろん、無理に投資を始める必要はありませんが、少額からでも早く経験を積むことで、複利の恩恵を受けやすくなります。
②. NISAを活用する
NISAでは運用益が非課税になるため、利益をそのまま再投資できます。
課税による目減りを防げるため、長期で運用するほど複利の効果を活かしやすくなります。
③. 長期保有を続ける
複利の効果が大きく現れるのは、10年、20年と運用を続けた後です。
筆者自身は、相場が下落したときも「安く買えるチャンス」と考えて積み立てを続けてきました。
インデックスファンドは購入口数が増え、高配当株はより高い配当利回りで買える場合があります。
相場の下落局面は不安を感じやすいものですが、長期投資では将来の複利効果を高める買い増しの機会と捉えています。
短期的な値動きに一喜一憂せず、積み立てや再投資を続けることが、複利を最大限に活かすポイントです。
まとめ

複利は、利益がさらに利益を生むことで、資産を雪だるま式に増やしていく仕組みです。
短期間では大きな変化を感じにくいものの、長く続けるほど効果は大きくなります。
だからこそ「再投資」と「長期運用」が重要になります。
この記事のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 複利とは利益にも利益がつくことで資産が増えていく仕組み
- 株式投資で複利を活かすには利益を再投資し続けることが基本
- 初心者はインデックス投資が始めやすい
- NISAを活用すると運用益を非課税のまま再投資できる
- 高配当株でも配当金を再投資することで資産を育てられる
- 複利の効果を最大化するには「早く始める」「長く続ける」「途中でやめない」ことが大切
複利の最大の味方は「時間」です。まずは少額からでも始めて、積み立てや再投資を続けていきましょう。
📚 もっと複利や長期投資について学びたい方へ
複利や長期投資についてさらに理解を深めたい方には、書籍『お金は寝かせて増やしなさい』がおすすめです。
インデックス投資や長期積立の考え方を、初心者にもわかりやすく解説した一冊です。
複利の力を活かすために大切な「長く続けること」の意味も理解しやすく、本記事の内容をさらに深めたい方にぴったりです。
これから投資を始めたい方や長期投資の考え方を基礎から身につけたい方は、ぜひ一度読んでみてください。
本記事とあわせて読むことで、複利を活かした資産形成の考え方をより深く理解できるはずです。



