大日本塗料(4611)は、配当と株主優待の両方がもらえる銘柄で、配当だけでも4%近くある高配当株です。
企業概要・優待内容・業績・財務・配当の安定性を整理し、長期投資やインカム狙いの方に向けて、投資判断の参考となる情報をまとめました。

配当利回りは記事作成時点のものです。株価次第で変わるのでご注意を!
大日本塗料ってどんな会社?
【上場市場】 | 【業種分類】 |
東証プライム | 化学 |
大日本塗料株式会社(4611)は、建築・鉄鋼・インフラなど幅広い分野に塗料を提供する総合塗料メーカーです。
1929年に設立され、90年以上の歴史を持つ老舗企業として、国内外の橋梁・建物・自動車部品など多くの構造物に使用される塗料を製造しています。
会社名 | 大日本塗料株式会社 Dai Nippon Toryo Co., Ltd. |
住所 | 〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場1丁目18番11号 SRビル長堀 |
代表者 | 代表取締役社長 里 隆幸 |
設立 | 1929年(昭和4年)7月25日 |
上場日 | 1949年5月 |
資本金 | 88億2,736万9,650円(2024年3月31日現在) |
事業内容 | ・塗料・ジェットインクの製造・販売 ・各種塗装機器装置の販売 ・塗装工事 等 |
定時株主総会 | 毎年6月下旬(決算期:3月31日) |
配当はいつ?権利確定月を確認
【配当回数】 | 【権利確定月】 | 【配当支払月】 |
1回/年 | 3月 | 6月 |
2025年3月期の1株当たりの配当金は49円です。
年々増配傾向にあり、直近では利回り4%超で買える場面もありました。
株主優待の内容・条件・贈呈時期を解説
大日本塗料(4611)では、年1回(3月末)時点で100株以上を保有している株主を対象に、株主優待を実施しています。
優待内容は、保有株数と継続保有期間に応じて異なり、最小条件ではQUOカード(クオカード)1,000円分がもらえます。
保有株式数 | 継続保有期間 | 優待内容 (QUOカード) | 贈呈時期 |
---|---|---|---|
100株以上 | 1年以上3年未満 | 1,000円分 | ■贈呈時期 6月下旬発送予定 |
100株以上 | 3年以上 | 2,000円分 | |
1,000株以上 | 1年以上3年未満 | 3,000円分 | |
1,000株以上 | 3年以上 | 5,000円分 |
継続保有は、毎年3月末・9月末の株主名簿に連続記載されていることが条件です。
保有年数が長くなるほど、もらえる優待額も増える仕組みになっています。
また、配当と株主優待をあわせることで、実質的な利回りにも十分な魅力があります。
業績と財務の安定性をチェック

売上高

大日本塗料の売上高は、直近ではゆるやかに増加傾向にあります。
主力は国内の建築・インフラ向け塗料で、橋梁など安定需要の高い分野が中心。
景気の影響を受けにくく、売上は堅調に推移していますが、原材料価格や為替の変動には注意が必要です。
EPS
EPSは、企業の収益性を示す指標で、1株あたりいくら稼いだかを表します。高配当株を選ぶ際の「配当の持続力」を見るうえで重要です。

EPS(1株あたり利益)はここ数年で増えている年もありますが、全体としてはバラつきのある推移です。
過去には大きく下がった時期もあり、毎年安定しているとは言えません。
ただ、最近は持ち直しており、利益もある程度の水準を保っています。
この傾向が続けば、安定した配当にもつながる可能性があり、今後も見ておきたいポイントです。
営業利益率

大日本塗料の営業利益率は、年度ごとに多少の上下はあるものの、おおむね安定した水準を維持しています。
売上の変動に対して利益率は大きく崩れておらず、採算性やコスト管理の堅実さがうかがえます。
ただ、原材料価格の高騰などによって利益率が影響を受ける可能性もあるため、今後も様子を見守りたいポイントです。
自己資本比率

自己資本比率は、おおむね安定して高い水準を維持しています。
財務基盤がしっかりしている企業は、景気悪化や一時的な業績悪化にも耐えやすく、長期投資でも安心して持ち続けられます。
営業活動によるCF

営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)は、ここ数年おおむね安定してプラスを維持しています。
安定して営業CFを確保できている企業は、本業からしっかり現金を生み出せている証拠となり、財務の健全性にもプラスに働きます。
今後も営業CFがプラス圏を維持できるかどうかは、長期投資を考える上で注目したいポイントです。
現金等

安定した水準で推移しています。
1株当たりの配当金

大日本塗料の1株当たり配当金は、減配することなく安定した状態が続いています。
少しずつ増えてきているのもうれしいポイントです。
配当性向

無理なく配当を出している印象があり、長期的に見ても安心できる水準です。
まとめ
大日本塗料(4611)は、建築・鉄鋼・インフラ向けに幅広く塗料を提供している総合塗料メーカーです。
90年以上の歴史を持つ老舗企業で、橋梁や建物など安定需要のある分野を中心に事業を展開しています。
売上高や利益はおおむね安定して推移しており、営業利益率も一定の水準を維持しています。
自己資本比率や現金等も安定しており、財務基盤の堅実さがうかがえます。
営業キャッシュフローもプラスを続けており、本業からしっかり現金を生み出せる体制が整っています。
配当も減配することなく、緩やかな増配傾向が続いています。配当性向も無理のない範囲にとどまっており、長期的にインカム収入を狙いたい投資スタイルにも向いた銘柄といえるでしょう。

配当も優待もあって、長く持ちたくなる銘柄です。