投資はなぜ必要?貯金だけではなく資産形成を考える理由

投資知識

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最近「投資を始めたほうがいいよ」と頻繁に耳にします。では、なぜ投資が必要なのでしょうか。

もちろん、貯金は生活に必要なお金を確保するために大切です。

ただ、将来に向けてお金を準備することを考えると、貯金だけではなく「資産形成」という方法についても知っておくことが大切です。

投資というと「損をしそう」「難しそう」「まとまったお金が必要」と感じるかもしれません。

しかし、投資にはさまざまな方法があり、少額から始めることもできます。

この記事では、なぜ投資を始めるのが難しいのか、貯金だけではなく資産形成を考える理由、投資と投機の違いについてわかりやすく解説します。

さらに、長期・積立・分散という考え方や、投資を始める前に知っておきたい基本についても紹介します。

「投資を始めるべきか迷っている」という方が、自分に合った資産形成を考えるきっかけになれば幸いです。

なぜ投資を始めるのは難しい?

投資をしたほうがいいと分かっていても、実際に一歩を踏み出せない人は少なくありません。

ここでは、投資を始めにくいと感じる理由について、もう少し具体的に見ていきます。

「損をするのが怖い」という心理

投資を始めるときに、多くの人が不安に感じるのが「損をすること」ではないでしょうか。

銀行の預金とは違い、株式や投資信託などの金融商品は、購入したときよりも価格が下がることがあります。

投資した金額を下回ることもあるため、できれば損をしたくないと考えるのは自然なことです。

また、人は同じ金額であっても、利益を得る喜びより、損失による痛みを大きく感じやすいと言われています。

そのため、投資を始めたばかりの頃は、少し値下がりしただけでも「このままもっと下がるのでは?」と不安になり、売却したくなることがあります。

こうした損をしたくないという気持ちは、投資を始めるうえでの大きなハードルの一つです。

ただ、投資には価格が変動するリスクがある一方で、将来に向けて資産を形成していく方法の一つでもあります。

大切なのは、投資のリスクを正しく理解したうえで、自分に合った方法を考えることです。

「何に投資すればいいの?」という迷い

投資を始めようと思ったとき、次に悩みやすいのが「何に投資すればいいの?」という問題です。

投資信託やETF、個別株や債券など、投資にはさまざまな選択肢があります。

さらに、YouTubeやSNSなどには投資に関する情報がたくさんあります。

「この銘柄がおすすめ」「この投資信託が人気」といった情報を目にすると、どれを選べばいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。

情報が多いことは便利な一方で、失敗しないために、まず正解を見つけてから始めたいと考えてしまう原因にもなります。

しかし投資は、誰にとっても当てはまる唯一の正解があるわけではありません。

投資の目的や運用できる期間、どの程度の値動きまで受け入れられるかによって、自分に合った方法は変わります。

最初から完璧な選択をしようとするのではなく、まずは投資の基本を知り、自分に合った方法を考えることが、投資を始めるための一歩になります。

「まとまったお金が必要」と思ってしまう

投資と聞くと、ある程度まとまったお金が貯まってから始めるものと考える人もいると思います。

株を買うなら何十万円も必要、というイメージを持っている方もいるかもしれません。

でも、実際には投資には少額から始められる方法もあります。

たとえば、NISAのつみたて投資枠では、一定の投資信託などを積立で購入することができ、まとまった資金を一度に用意しなくても資産形成を始めやすくなっています。

こうした方法があることを知っておくだけでも、投資に対するハードルは少し下がると思います。

人はいつでも合理的に判断できるわけではない

ここまで見てきたように、投資を始めるときには「損をしたくない」「何を選べばいいか分からない」といった不安があります。

そして、投資を始めた後も、こうした気持ちに影響されることがあります。

たとえば、買った株が値下がりすると「もう少し待てば戻るかもしれない」と考えて、なかなか売れなくなることがあります。

反対に、株価が上がっている銘柄を見ると「まだ上がるかもしれない」と思って買いたくなることもあります。

SNSで話題になっている銘柄なら「みんなが買っているから、自分も買ったほうがいいのでは?」と感じることもあるでしょう。

こうした行動には、人間の心理が関係しています。

行動経済学
  • 損失回避(プロスペクト理論)
    損失をできるだけ避けようとする
  • 同調行動(ハーディング現象)
    周囲の人と同じ行動を取りたくなる

自分は冷静に判断しているつもりなのに、なぜか値下がりすると焦ってしまう。

投資をしていると、そんな経験をすることがあるかもしれません。

こうした人の心理や行動のクセを知っておくと、自分が投資でどんな判断をしやすいのかを考えるきっかけになります。

行動経済学は投資だけに関係するものではありません。

普段の買い物や「なぜ自分はこう選んだのだろう?」という日常の意思決定にも関係しています。

こうした人の心理について知ると、投資では金融商品の知識だけでなく、自分自身の行動について知ることも大切だと感じます。

行動経済学について詳しく知りたい方は、書籍を読んでみるのもおすすめです。

『行動経済学が最強の学問である』では、人がなぜそう判断してしまうのか、行動経済学の考え方を知ることができます。

投資だけでなく「自分もこういう判断をしているかも」と考えながら読むと面白い一冊だと思います。

貯金だけではなく資産形成を考える理由

貯金は、生活に必要なお金を確保したり、近いうちに使う予定のお金を準備したりするために欠かせません。

一方で、将来に向けて長い期間でお金を準備することを考えると「貯める」だけでなく「資産形成」という考え方も知っておきたいところです。

ここでは、貯金と資産形成の違いや、お金の価値が変わることについて見ていきます。

「貯金」と「資産形成」は何が違う?

貯金と資産形成は、どちらも将来のお金を準備するためのものですが、少し意味が違います。

貯金は、銀行などにお金を預けて、必要なときに使えるようにしておくことです。

たとえば、毎月の生活費や、急な出費に備えるお金、近いうちに使う予定のお金などは、すぐに使える状態で持っておくことに意味があります。

一方、資産形成は、将来に向けて少しずつ資産を築いていくことです。

貯金だけでなく、投資信託や株式などへの投資も資産形成の方法の一つです。

つまり「貯金か投資か」のどちらか一方を選ぶというより、それぞれの役割を考えることが大切です。

では、なぜ貯金だけでなく、資産形成についても考える必要があるのでしょうか。

その理由の一つが、お金の価値は一定ではないということです。

お金の価値は変わる

普段の生活では「1万円は1万円」と考えるのが普通です。

ただ、1万円で買えるものが、10年前も今も同じとは限りません。

物価が上がれば、同じ金額でも購入できるものやサービスは変わってきます。

実際に、総務省が公表している2026年7月の消費者物価指数(CPI)では、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比で1.8%上昇しています。

もちろん、物価が上がっているからといって、貯金より投資をすべきと単純に考える必要はありません。

ただ、将来に向けて長い期間でお金を準備することを考えるなら「貯める」だけでなく「資産形成」という方法もあることを知っておくことが大切です。

この先は、投資と投機の違いを見ながら、資産形成として投資を考えるときの基本について整理していきます。

投資と投機の違い

投資について調べていると「投資」と「投機」という言葉を目にすることがあります。

どちらも値上がりや利益を期待してお金を使うという点では似ていますが、考え方には違いがあります。

ここでは、投資と投機の違いを知り、自分がどのような目的でお金を運用したいのかを考えてみましょう。

投資とは?

投資とは、企業や資産などにお金を投じ、その価値が将来にわたって成長することなどを期待して運用することです。

株式投資なら、企業の利益成長による株価の上昇や、企業が利益の一部を株主に還元する配当金などが、利益を得る方法として考えられます。

長い期間をかけて資産を育てていくことを考える場合、投資はその方法の一つになります。

投機とは?

一方、投機は、短期的な価格変動などを利用して利益を得ようとする考え方です。

たとえば、ある銘柄の価格が上がると予想して購入し、短期間で値上がりしたところで売却する、といった取引があります。

もちろん、投機そのものが悪いわけではありません。

ただ、短期間の値動きを予想する必要があるため、価格変動の影響を大きく受けることがあります。

「短期だから投機、長期だから投資」と期間だけで完全に分けられるものでもありません。


投資と投機の違いを簡単に整理すると、次のようになります。

項目投資投機
主な考え方資産や企業の成長などを期待する短期的な価格変動などを利用する
目線中長期で考えることが多い短期で考えることが多い
判断の材料企業や資産の価値、将来性など価格の動きや売買のタイミングなど
利益の考え方値上がりや配当など主に売買による価格差

投資なら安全、投機なら危険という意味ではありません。

投資にも価格変動があり、損失が出る可能性があります。

大切なのは、自分が何のためにお金を運用するのかを考え、その目的に合った方法を選ぶことです。

長期・積立・分散から考える

投資を始めるときは、何を買うかだけでなく、どのように投資を続けるかを考えることも大切です。

ここでは、資産形成を考えるうえで基本となる「長期・積立・分散」という3つの考え方に触れていきます。

長期で考える

投資では、短期間の値動きだけを見るのではなく、長い期間で考えることも大切です。

株式や投資信託などは、短期間で価格が大きく上下することがあります。

そのため、購入した直後に値下がりしたからといって、それだけで投資が失敗だったと判断することはできません。

世界の経済や企業活動は、これまで長い時間をかけて成長してきました。

一方で、その途中では景気の悪化などによって、株式などの価格が大きく下落したこともあります。

だからこそ、短期的な値動きだけではなく、長い期間で資産の成長を考えるという視点も持っておきたいところです

積立で続ける

一度にまとまった金額を投資するだけでなく、毎月など決まったタイミングで少しずつ購入していく「積立」という方法もあります。

積立なら、決めた金額を継続して投資しやすいというメリットがあります。

また、価格が高いときには少なく、価格が低いときには多く購入することになるため、購入価格を平準化する効果が期待できます。

こうした考え方は、一般に「ドルコスト平均法」と呼ばれます。

分散して考える

分散投資を説明するときによく使われるのが、「卵は一つのカゴに盛るな」という格言です。

すべての卵を一つのカゴに入れていて、そのカゴを落としてしまえば、卵はすべて割れてしまいます。

一方、複数のカゴに分けておけば、一つを落としてもすべてを失うわけではありません。

株式投資でいえば、1社の株式だけを保有していると、その会社に大きな問題が起きたとき、資産全体への影響も大きくなります。

複数の企業や資産に分けておけば、一つの投資先の値下がりが資産全体に与える影響を抑えられる可能性があります。

分散投資には、投資先を分けるだけでなく、異なる資産や地域などに分ける方法もあります。

どのように分散するかは、投資する資産や目的によっても変わります。


ここまで見てきたように「長期・積立・分散」は、資産形成を考えるうえで知っておきたい基本的な考え方です。

ただし、これらを取り入れれば必ず損をしないというわけではありません。

投資である以上、価格が下がり、資産が減る可能性もあります。

大切なのは、こうした基本的な考え方を知ったうえで、自分の目的や状況に合った方法を考えることです。

投資を始める前に知っておきたいこと

投資について基本的な考え方を知ったら、次は実際に始める前に確認しておきたいことを整理してみましょう。

投資は、始めること自体が目的ではありません。

自分の生活や将来の予定に合わせて、無理なく続けられる方法を考えることが大切です。

ここでは、投資に回す金額や使う予定のお金との分け方、運用にかかるコスト、自分がどの程度の値動きを受け入れられるのかなど、投資を始める前に考えておきたいポイントを紹介します。

生活に必要なお金まで投資に回さない

投資を始めるときは、まず生活に必要なお金と、将来に向けて運用するお金を分けて考えることを意識しましょう。

毎日の生活費や、急な病気やけが、家電の故障などに備えるお金まで投資に回してしまうと、必要なときにお金を取り崩さなければならなくなる可能性があります。

また、投資した資産が値下がりしているタイミングでお金が必要になれば、損失を確定させて売却することになる場合もあります。

そのため、まずは普段の生活や近い将来に使う予定のお金を確保し、そのうえで余裕のあるお金を投資に回すことを考えましょう。

無理のない投資額から始める

投資を始めるからといって、最初から大きな金額を投資する必要はありません。

証券会社や商品によっては、1,000円以下の少額から購入できる場合もあります。

実際に自分のお金を投資すると、少額であっても「値下がりするとどのくらい不安になるのか」「どの程度の値動きなら続けられそうか」など、見るだけでは分からなかったことに気づくことがあります。

そのため、最初から大きな金額を投資するよりも、まずは自分が続けられる金額から始めることを考えてみましょう。

投資額に正解はありません。生活や貯蓄の状況に合わせて、自分に合った金額を考えていくことが大切です。

投資にかかるコストを確認する

投資では、利益や値上がりだけでなく、どのくらいコストがかかるのかも確認しておきたいところです。

投資信託などの商品には、購入するときや保有している間などに手数料がかかる場合があります。

たとえば投資信託なら、購入時の手数料がかからないものや、保有中にかかる信託報酬が低いものもあります。

一つひとつの金額は小さくても、長期間運用すると、その差が積み重なり大きな差になります。

そのため、商品を選ぶときは、どのような費用がかかるのか、手数料や信託報酬がどの程度なのかを確認しておきましょう。

リスク許容度を考える

投資を始める前に、自分がどの程度の値動きなら受け入れられるのかを考えておくことも大切です。

投資する商品によって、価格の変動の大きさは異なります。

たとえば、リーマン・ショックでは株式市場が大きく下落しました。

S&P 500では、2007年10月の高値から2009年3月の安値にかけて約57%下落し、2007年の高値を回復するまでには約5年半かかりました。

つまり、投資した資産が一時的に半分近くまで減るだけでなく、元の水準に戻るまで何年もかかることもあります。

そのため、どのくらい増える可能性があるかだけでなく、どのくらい減る可能性があるか、またどのくらいの期間、値下がりに耐えられるかも考えておくことが大切です。

このように、自分がどの程度の値下がりや価格変動まで受け入れられるかを「リスク許容度」といいます。

まとめ

投資には、誰にとっても当てはまる正解があるわけではありません。

貯金と資産形成の違いや、投資と投機の違いを知ったうえで、生活に必要なお金を確保し、自分に合った金額や方法を考えることが大切です。

また、長期・積立・分散という基本的な考え方や、コスト、リスク許容度について知っておくことも、投資を考えるうえでの判断材料になります。

「投資を始めなければいけない」と焦るのではなく、まずは投資について知ることから始めて、自分の生活や目的に合った方法を考えてみましょう。