旧NISA(積立NISA)の時から、現在の新NISAでも「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」通称オルカンへ投資しています。
筆者がなぜ、つみたて投資枠ではオルカンだけにしているのか。
この記事では、オルカン一択にしている4つの理由と、運用を始める前に知っておきたいデメリットについて紹介します。
ちなみにオルカンは、個人投資家が選ぶ!Fund of the Year(旧:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year)で、2019年から7年連続で総合1位を獲得しています。
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)とは?
オルカンとは、三菱UFJアセットマネジメントが運用する投資信託、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の愛称です。
日本を含む先進国と新興国の株式に幅広く投資し、MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)への連動を目指します。
MSCI ACWIは、先進国23、新興国24の計47の国と地域の、大型株・中型株を対象とした指数で、各市場の時価総額(浮動株調整後)の約85%をカバーしています。
つまりオルカンは、1本の投資信託を通じて、日本だけでなく米国や欧州、新興国など、世界の主要な株式にまとめて投資できる商品です。
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | |
|---|---|
| 運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
| 設定日 | 2018年10月31日 (信託期間は無期限) |
| 連動をめざす指数 | MSCI ACWI (配当込み、円換算ベース) |
| 指数の対象 | 47の国・地域 |
| 投資対象 | 日本を含む先進国・新興国の株式 |
| 地域別の比率 指数ベース2026年3月末 | 先進国88.6%、新興国11.4% (うち米国63.2%、日本5.0%) |
| 為替ヘッジ | 原則なし |
| 信託報酬(年率・税込) | 0.05775%以内 ※ |
| 純資産総額 | 約14.1兆円 (2026年10月21日時点) |
| 新NISA | つみたて投資枠・成長投資枠の対象 |
上記の表は、三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)交付目論見書」(2026年7月25日付)を参考に作成しています。
オルカン一択にしている4つの理由

長期投資において、インデックスファンドを持ち続ける握力はとても重要です。
株価が暴落したときや、SNSで不安をあおる情報を目にしたときに、自分がなぜこの商品を選んだのかを腹落ちさせておくことが、狼狽売りを防ぐ助けにもなります。
そこで、筆者がオルカン一択にしている理由を紹介します。
ご自身の判断軸を考える際の参考になれば幸いです。
信託報酬の安さ
投資信託を持っている間は、信託報酬という運用コストが日々少しずつ差し引かれます。
長期投資は「長期×分散×低コスト」が大切とよくいわれています。信託報酬を抑えることは、この低コストの部分にあたります。
仮に、保有資産が100万円だった場合、eMAXIS SlimシリーズのオルカンとS&P500、仮に信託報酬が年率1%の投資信託では、年間コストにどれくらいの差があるのでしょうか。
| 信託報酬(年率) | 年間コストの目安 |
|---|---|
| オルカン:0.05775%以内 | 約578円 |
| S&P500:0.08140%以内 | 約814円 |
| 仮に1%の投資信託 | 10,000円 |
保有資産100万円が1年間変わらないと仮定した単純計算です。
オルカンもS&P500も十分に低コストな投資信託なので、どちらが良い悪いということではありません。
一方、オルカンと1%の投資信託を比べると、年に約9,422円の差になります。
仮に保有資産が100万円のまま30年間変わらなかった場合、単純計算で約28万円の差になります。
実際には積立を続けていれば、保有額が増えていくので、差はさらに大きくなります。
これが何十年も続くと考えると、このコストの差は大きいですよね。
長期投資では、運用成績をコントロールすることはできませんが、信託報酬などのコストは商品選びの段階で確認できます。
だからこそ筆者は、継続的にかかるコストは重視しています。
世界の株式に幅広く分散できる
株式市場では、どの国や企業が次に伸びるのかを予想するのは簡単ではありません。
少なくとも、凡人の筆者には無理です。
オルカンは2026年9月末時点で、47の国・地域の約2,360銘柄に分散投資しています。
投資信託1本でこの分散はすごいですよね。
また、米国の比率が高い点については、このあとの章で詳しく触れます。
米国の大型株約500社に投資するS&P500と比べると、オルカンは米国以外の国や地域にも幅広く投資できます。
これは、S&P500を否定しているのではなく、筆者は特定の国に集中するよりも、世界に分散しておくほうが安心感があるため、オルカンを選んでいます。
自動で銘柄や投資比率が調整される
オルカンが連動を目指すMSCI ACWIは、企業の時価総額に応じて投資比率が決まる指数です。
時価総額とは、株価に発行済みの株式数をかけた、企業の規模を表す金額です。
企業の時価総額が大きくなれば指数に占める比率が上がり、小さくなれば比率も下がります。
こうした仕組みを「時価総額加重型」といいます。
また、指数の構成銘柄も定期的に見直されます。
MSCIは2023年2月から、2月・5月・8月・11月の年4回、包括的な指数の見直しを行っています。
時価総額の大きい企業の顔ぶれは、時代とともに入れ替わってきました。
例えば、1989年の世界の時価総額ランキングでは、上位10社のうち7社が日本企業でした(1989年7月末、米ビジネスウィーク誌のランキング、内閣府の会合資料)
一方、現在のオルカンの組入上位10銘柄を見ると、9銘柄が米国企業の株式です。(2026年9月末)
オルカンは、時価総額の変化に合わせてファンド内で比率の調整(リバランス)を自動で行ってくれますし、世界の株式市場の成長に、幅広く参加できるところが気に入っています。
ポートフォリオの管理
筆者は、つみたて投資のほかに個別株とROBOPROにも投資しています。
そのため、投資銘柄が増えれば、その分資金管理も大変になるので、つみたて投資枠はオルカン一択で十分かなと思っています。
ROBOPROの運用成績は、こちらの記事にまとめています。
オルカンのデメリットと注意点

ここまで筆者がオルカン一択の理由を紹介しました。
そんなオルカンにも、投資を始める前に知っておきたいデメリットや注意点はあります。
オルカンの中身は株式のみ
世界中に投資するオルカンですが、その中身は株式です。
そのため、世界の株式市場が下落すれば、基準価額も下がり、元本を割り込むことがあります。
投資信託は、預貯金と違い元本が保証されていません。
リーマンショックのような大きな暴落が起きれば、資産が大きく目減りすることもあります。
長く積み立ててきた資産が半分以下になる可能性があることを、頭の片隅に入れて運用していく必要があります。
米国株の比率が高い
オルカンは、47の国・地域に分散投資していますが、均等に投資しているわけではありません。
時価総額に応じて比率が決まる指数に連動するため、全体の約6割は米国株です。
そして上位10銘柄だけで、全体の約4分の1を占めています。(2026年9月30日)
そのため、世界に分散しているとはいえ、米国株の値動きから大きな影響を受けます。
米国以外の国にも投資できるのがオルカンの魅力ですが、米国への投資比率が高いことは、知っておきたいところです。
為替変動の影響を受ける
オルカンは外国の株式に投資し、原則として為替ヘッジ(為替変動の影響を抑える仕組み)を行っていないため、為替の影響を受けます。
組入通貨の比率は、多い順にアメリカドルが64.1%、ユーロが7.6%で、円は5.0%なので、資産の大半が、外貨建てになっています。(2026年4月30日時点)
例えば、株価が変わらなくても、円高が進むと、外貨建て資産を円に換算した評価額は下がる要因になります。
反対に、円安が進むと、評価額が上がる要因になります。
ただし、インデックス投資家として長期で積み立てていくなら、為替の動きを必要以上に気にすることはないと考えています。
円高になって基準価額が下がっているときは、同じ金額でより多くの口数を買えますし、円安になって上がれば、それはそれで嬉しいですよね。
もちろん、為替の影響がなくなるわけではないので、基準価額が為替の動きにも左右されることは、知っておきたいところです。
S&P500を下回る期間がある
オルカンとS&P500を比べた場合の運用成績には、どのくらいの差があるのでしょうか?
過去1年と過去3年の騰落率をまとめました。
| 期間 | オルカン | S&P500 |
|---|---|---|
| 過去1年 | +24.3% | +22.9% |
| 過去3年(累計) | +90.7% | +93.8% |
過去1年ではオルカンが、過去3年ではS&P500が上回っています。ただし、これは過去の実績で、将来どちらが上回るかは分かりません。
リターンの高さを重視する場合、S&P500が上回る期間があることは、知っておきたいところです。
まとめ

この記事では、筆者が新NISAのつみたて投資枠でオルカン一択にしている4つの理由と、知っておきたいデメリットを紹介しました。
- 信託報酬が安くコストを抑えられる
- 世界の株式に幅広く分散できる
- 自動で銘柄や投資比率が調整される
- ポートフォリオを管理
運用前に知っておきたいデメリットは以下の通りです。
- 株式のみなので下落時は元本割れすることがある
- 米国の比率が高く値動きの影響を受けやすい
- 為替変動の影響を受ける
- S&P500を下回る期間がある
オルカンは、国や企業を予想せず、世界の株式に長期で積み立てたい人に向いています。
反対に、米国株に投資対象を絞りたい人や、債券なども組み合わせて値動きを抑えたい人には、ほかの選択肢が合うかもしれません。
大切なのは、なぜその商品を選んだのかを、自分で理解しておくことです。
理由とデメリットを知ったうえで選んでおけば、株価が暴落したときも、持ち続けやすくなるはずです。
この記事が、ご自身の投資方針を考えるきっかけになればうれしいです。
(PR)インデックス投資の握力を上げたい方向けにおすすめの書籍👇

